イランが米に報復攻撃、イラク駐留2基地にミサイル
米国防総省は7日、イラクにある駐留米軍基地にイランが弾道ミサイルを発射し、少なくとも2カ所を攻撃したと発表した。イランは革命防衛隊コッズ部隊のソレイマニ司令官が米軍に殺害されたことへの報復だとした。米兵に死者は確認されていないとみられるが、今後明らかになる被害状況によっては米軍がイランへの反撃に踏み切る可能性もある。トランプ米大統領は8日午前(日本時間9日未明)に演説し、イランへの対応策を表明する見通し。
トランプ氏はこれまで、イランが報復として米国人や米国の資産にイランが攻撃を加えた場合、「重要施設52カ所を直ちに攻撃する」などと警告しており、今回の攻撃にどう対応するか注目される。米国人に死者が出なかった昨年9月のサウジアラビア石油関連施設攻撃の際に、トランプ氏は「戦争は避けたい」と自制的な対応をしており、米国の対応は被害状況にも左右されると考えられる。
国防総省によると、攻撃を受けたのはイラク西部のアサド空軍基地とイラク北部のクルド人自治区アルビルにある基地。発射されたミサイルは十数発で、米東部時間7日午後5時半(同8日午前7時半)ごろに開始された。約5200人の米軍が駐留しているが、現時点で被害について発表はない。
ホフマン国防総省報道官は「イランから発射されたのは明白だ」と断定し、自衛のために「必要なすべての措置を取る」と強調した。
トランプ大統領はホワイトハウスでエスパー国防長官やポンぺオ国務長官と対応について協議した。
国防総省によると、イランは十数発の弾道ミサイルを発射。イラク西部のアサド空軍基地と北部のアルビルの基地の少なくとも2カ所を攻撃した。CNNによると、米国防当局者は攻撃による死傷者は報告されていないが、被害状況についての検分は続けられているという。イランの作戦名は「殉教者ソレイマニ」と名付けられた。イラン国営テレビは8日、米軍基地攻撃で「米部隊側の80人が死亡、200人が負傷した」と発表したが、真相は不明だ。