北朝鮮の核問題は米朝間で解決か


韓国紙セゲイルボ

現実味帯びる「韓国疎外」

 ジュネーブ北朝鮮代表部のチュ・ヨンチョル参事官が、「韓国は核問題に関して話す資格がない」と述べた。22日、韓国と北朝鮮、米国、中国外交官たちが集まった国連ジュネーブ軍縮会議でのことだ。同会議は核兵器など大量破壊兵器を対象にした世界唯一の多者間軍縮交渉機構である。

火星12

北朝鮮の中距離弾道ミサイル「火星12」=5月14日、朝鮮中央通信(AFP=時事)

 チュ参事官は、「核は米朝間で解決しなければならない問題」として、「韓国が本当に韓半島の平和を望むならば、米国の側に立つな」と述べた。文在寅(ムンジェイン)大統領の対話提案を無視して、米国との直接協議に入るという意図を表したものだ。

 米国政界で議論された“コリア・パッシング(韓国疎外)”の憂慮は韓国当局者の口からも出てきた。趙明均(チョミョンギュン)統一部長官は22日、講演会で、「北朝鮮が核兵器を完全に開発して完成段階に遠からず行くことになるなら、“揺さぶり”や“コリア・パッシング”が実際に起きるかも知れない」と語った。

 米国の対北朝鮮戦略は何度も急変して予測することさえ難しい。ドナルド・トランプ大統領は22日、「金正恩(キムジョンウン)がわれわれを尊重し始めた」と期待感を示した。レックス・ティラーソン国務長官も、「平壌政権が確かに一定水準の自制力を見せてうれしい。近い将来に北朝鮮との対話のための信号になるように願う」と同調した。

 「炎と怒り」等の激しい発言をしていた米国が対北朝鮮基調を変えるところを見ると、米朝間にある種の接触が試みられているのではないかとの観測が流れ出る。北朝鮮が米国と直取引する事態が実際に起きれば、韓国が抜けた状態で大韓民国の運命が決定される最悪の状況を迎える危険性がある。

 米国の最大関心事は核が米本土に飛んでくることを防ぐことだ。それだけに北朝鮮に大陸間弾道ミサイル(ICBM)開発中断を要求し、一部の核を容認するカードを交渉テーブルに載せる可能性がある。韓国としては頭上に北朝鮮の核がある状態で生きなければならない境遇が到来するという意味だ。なかなか憂慮すべき状況だ。

 文在寅大統領が強調した(韓国が運転席に座り、韓半島問題をリードしていく)「韓半島運転席論」を含んだ安保政策全般を再検討する必要がある。

(論説室、8月25日付)

※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。