求められる真の「創意的外交」とは
韓国紙セゲイルボ
言葉だけでなく「具体的実践」を
1月、外交安保部署業務報告で朴槿恵(パククネ)大統領は、「6者協議だけでなく、北朝鮮を除いた5者協議を試みるなど、多様で創意的な接近方法を探さなければならないだろう」といきなり提案した。
数時間後、中国が反対を表明すると、同提案はすぐに引っ込められた。関連国との事前調整なしに出した即興的提案はいかに創意的といっても立つ瀬がない。外交惨事である。
王毅中国外相は最近、高高度防衛ミサイル(THAAD=サード)の韓半島配置に対して、「史記」の“鴻門の会”の故事を引用し、「(項羽の従弟)項荘が剣の舞いを踊る意図は劉邦を害しようとするところにある」と述べた。サード配置は中国を狙うものだという意味だ。
邱国洪駐韓中国大使は第一野党代表を訪ね、「韓中関係を今日のように発展させた努力は、一つの問題で瞬時に破壊され得る」と述べた。外交の礼を欠き、内政干渉という非難を受けた。
米国もやはり昨年末、北朝鮮と密(ひそ)かに非核化・平和協定議論に関するメッセージをやりとりした事が、後になって明らかになった。
今、韓半島は北朝鮮核・ミサイル挑発と、その対応をめぐって荒波に巻き込まれている。
強大国の隙間でうごめこうとするなら、大胆で創意的な外交力を発揮しなければならないが、韓国外交の創造力は根も葉もない5者協議提案水準であるからやりきれない話だ。
尹永寬(ユンヨングァン)元外交通商部長官は著書「外交の時代」で、「外交にしても対北朝鮮政策でも、スローガンはあるが具体的な実践がなく、国際的懸案がさく烈する度に、それに巻きこまれて即興的に一定の戦略も方向もなしに対応している」と嘆息している。
周辺状況の変化に振り回されて、外交の枠組みまでぶれるのを見れば、韓国外交が大きな絵もなしに遂行されているのは明らかだ。
外交安保チームと主要国の大使陣容を改編して、外交政策決定システムを手直しすることをこれ以上放置してはならない。政策失敗の原因を明らかにして責任を問うてこそ、事態を収拾し新しい出発をする段階に移ることができる。
言葉だけでなく行動が伴う真の創意的外交が要求される時だ。
(朴完奎(パクワンギュ)論説委員、3月1日付)
※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。