中国サイバー戦部隊、北京市内のホテルに本部
米WT紙 電子・情報戦担う秘密部隊
中国軍のサイバー戦部隊の本部が北京市内の二つのホテルにあることが米陸軍アジア研究分遣隊(神奈川県キャンプ座間)の報告によって明らかになった。米紙ワシントン・タイムズ紙のコラムニスト、ビル・ガーツ氏が4日、明らかにした。中国軍は米政府・軍へのサイバー攻撃で機密情報を盗み出すなど、電子戦能力を向上させており、米国も警戒を強めている。
日米で情報漏洩被害
二つのホテルは、ジンタンホテルとシーズンズホテルで、サイバー戦を任務とする人民解放軍第4部(4PLA)の本部がここに置かれているという。報告は「入手可能な情報によると両ホテルは、4PLAが所有、または4PLAと関連がある」としている。
4PLAは、昨年1月の中国軍大改革で新設された戦略支援部隊(SSF)に所属する。SSFはサイバー、衛星分野の戦略を任務とする。4PLAは「電子戦対策・レーダー局」とも呼ばれ、サイバー攻撃など電子戦、情報戦を担うとされている。
ガーツ氏は、電子戦は中国軍の中でも機密性が高く、ホテルのような普通の場所に本部を置いたのは、戦略上、存在を目立たなくする必要があったためだと指摘している。
米議会米中経済安全保障検討委員会で元海軍情報将校のジョン・コステロ氏が明らかにしたところによると、4PLAはハイテク戦争、情報収集を得意とすることから、中国軍の中でも米軍にとって大きな脅威であり、敵の通信衛星、航法衛星、レーダー衛星を妨害するなど、宇宙空間での任務も負っている。
2015年に米政府人事管理局(OPM)のデータベースがハッカーの攻撃を受け2150万人分の情報が盗まれた事件は、中国のサイバー攻撃によるものとみられている。日本でも、総務省などの省庁、企業も中国によるとみられる大規模なハッキングの被害を受けている。