中国の人権弾圧に諸民族は団結を、東京で国際会議


中国による少数民族に対する人権弾圧や政治的圧力に抗議する「中国の人権問題を考える国際会議」が1日、衆議院第1議員会館(東京・永田町)で行われた。

講演する「南モンゴルクリルタイ」幹事長のオルホノド・ダイチン氏=1日午前、東京都千代田区の衆議院第1議員会館(森啓造撮影)

講演する「南モンゴルクリルタイ」幹事長のオルホノド・ダイチン氏=1日午前、東京都千代田区の衆議院第1議員会館(森啓造撮影)

 この日は中国の建国記念日「国慶節」。これに合わせ、世界最大のチベット支援団体SFT(Students for a Free Tibet、本部・ニューヨーク)の呼び掛けで、国際的な抗議活動「Resist China(レジスト・チャイナ)」が世界20カ国以上で行われ、同会館での会議もその一環。少数民族の代表者や香港民主化の支援団体などが、中国による弾圧の現状を訴えた。

 レジスト・チャイナ日本実行委員長で、SFT日本の在日チベット人、ツェリン・ドルジェ代表は「(中国の)人権問題についての関心は高まっているが、国としてはあまり声を上げることができていない。『一つの中国』原則で口をつぐんでいるが、それをなくさないといけない」と指摘した。

 内モンゴル自治区の独立を目指す「南モンゴルクリルタイ」のオルホノド・ダイチン幹事長は、同自治区内の教育について「来年から道徳と法治(政治)、2022年には歴史の授業が、徐々に中国語へと切り替えられる。モンゴル語を廃止するだけでなく、教科書からチンギス・ハンが消えるなど中身まで変えられている」と訴えた。

 日本ウイグル協会の于田ケリム会長は「現在、ウイグル人は子供の名前も自由に決めることができない。政府が作成した名前一覧の中から選ばないといけない状況になってきた」と危機感を示す。香港建国連盟のアラン・チョウ日本代表は「中国共産党による民族浄化は、香港人にも待ち受けている」として、香港独立の必要性を強調した。

 最後に同実行委の石井英俊事務局長が「中国政府に対し、その弾圧政策と覇権主義、そして各民族に対する植民地支配、民族抹殺政策を停止させるために団結せねばなりません」とする決議文を読み上げ、採択された。3日には新宿や日比谷公園などで、諸民族による連帯デモが行われる。