中国のモンゴル語教育廃止、公文書がネットに流出 内モンゴル
中国・内モンゴル自治区の学校で漢語中心の教育に切り替わる問題で、同自治区教育庁による公文書がネット上で公開されていることが分かった。同自治区出身の消息筋によると、現地で公文書を閲覧できる人が流したものだという。
同文書は、8月16日付で自治区教育庁から区内各市党委員会および行政府、関連部門宛てに通知された。9㌻から成る同文書の内容は、自治区全区民の民族語教育に関し、今秋入学する小学1年生と中学1年生に漢語による教育を行うことを、自治区党委員会と中国政府が同意したというもの。
中国当局によるこうした措置は、今年6月に地元当局に対し口頭で指示されたとされており、モンゴル民族の間で波紋が広がっていた。ネット上に公文書が流れたことから、文書を閲覧できる行政府や教育関係者の中でも、漢語中心教育に反発の動きが起きているものとみられる。
これまで自治区内のモンゴル族の学校では、モンゴル語を第1言語として小学3年生から漢語を学び始めることとなっていたが、第1言語が漢語となることで、母語であるモンゴル語は、事実上外国語として学ぶことになる。同自治区出身者によると、自治区では民族学校の数を減らすことで自宅の遠い子供を入寮させる策が進められている地域があり、家庭から隔離されることでモンゴル語を読み書きする機会が極端に減ることが懸念される。
同問題で保護者らと警察との衝突も起きており、中国人民解放軍が導入され、これまでに拘束、指名手配や自殺者が複数出ているとの情報もある。