国連世界食糧計画(WFP)は、南部アフリカ…
国連世界食糧計画(WFP)は、南部アフリカ諸国で干ばつが発生し、1400万人が飢餓に瀕していると発表した。そのうちモザンビークでは17万人が栄養失調に陥っていると小紙の宝山晶子・ベイラ(モザンビーク)通信員が22日付で伝えている。
食糧不足が最も深刻なのは内陸部のマラウイで、人口の16%に相当する280万人、次いでマダガスカルでは190万人、ジンバブエでは人口の10%強に相当する150万人が飢餓で危機的状況にある。
これらの国々、地域への食糧支援が急務だが、WFP内部の経済的な事情で、見通しが立っていないという。お粗末すぎる。干ばつは今、太平洋に広がるエルニーニョ現象の影響だという。
エルニーニョ現象は局地的に多雨をもたらすか、逆に雨がほとんど降らないという気象現象を生起させる。南部アフリカの場合は後者で、降ったとしても極めて少量で、作物の植え付けがほぼ不可能な状況にある。
エルニーニョ現象は地球温暖化と極めて関係が深く、相乗的に作用し干ばつや豪雨を起こしたり、その発生の周期を早めたりしている。つまり人為的な要因による異常気象のツケが、地球上の貧困地域に先鋭的に現れるという悲劇の構図だ。
ともあれ今、国際社会による緊急援助が欠かせない。その上で、中期目標として、アフリカ中・南部地方の農業の自立を促すインフラ整備支援の必要がある。「地球は一つ」なのだ。