衛星打上げ基地を中国海南島文昌へ


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 意外だが中国内陸部は、重化学工業とハイテク産業の集積地となっている。

 これは1960年代、中ソ関係が悪化。中国は核戦争サバイバル手段として、上海や東北部に集積していた軍需産業を内陸に大移転させた「三線」建設の経緯があるからだ。「三線」というのは、沿海部を第一線とし、四川省や雲南省など内陸部が第三線、その間が第二線という設定だ。

 結局、四川省楽山は核兵器産業、綿陽はレーダーや弾道ミサイル、西昌は宇宙センターとして整備された。いわば、核戦争という亡霊は、遅れた内陸の大農村地域を近代工業都市へと豹変させる魔術を現出させた。


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