各党が改憲案出し議論を、政治評論家の髙橋利行氏が講演
世日クラブ
世界日報の読者でつくる世日クラブ(会長=近藤讓良〈ゆずる〉・近藤プランニングス代表取締役)の定期講演会が16日、都内で開かれ、政治評論家で拓殖大学大学院客員教授の髙橋利行氏が「安倍改憲の行方を占う~冷戦思考からの脱却が急務~」と題して講演した。
髙橋氏は、先月の自民党総裁選で安倍晋三首相が3選したことについて触れ、「憲法改正をしなくてはならないことが喫緊の課題となっていないことが問題だ」と指摘。改憲を急いでわが国の安全保障態勢を整えるべきだと強調した。
また、改憲案について「自公の事前協議はしない方がいい。各党が別々に案を出して国民の見ている前で議論するのはどうか」と提案。その上で「安倍首相の手で発議をし、国民投票にかけるのが望ましい」と語った。
さらに、髙橋氏は、「安倍さんはトランプ大統領の懐に飛び込んだ。米国をしっかりつかんでいくことがわが国の安全保障に重要だ」と指摘するとともに、「自分の手で国を守れるよう憲法改正を実現し、その上で国際貢献をさらに果たしていくべきだ」と訴えた。 また、自民党が米ソ冷戦時代に保守合同で結成された経緯を説明し、「今の情勢も米中冷戦の厳しい状況にある」とし、危機対応が本質の自民党らしい政策を実行すべきであると強調した。
講演に先立ちあいさつした世日クラブの近藤会長は「全員野球内閣と称して第4次安倍改造内閣が発足した。憲法改正、米国との貿易、北朝鮮による拉致問題、北方領土や消費税増税など課題が多いが、一つずつ進めていってもらいたい」と語った。