安倍首相に5つの提言


長野●(示へんに右)也氏「出版を祝う会」

 政治評論家で元衆議院議員の長野●(示へんに右)也氏の編著『政界キーパーソンに聞くPART17』『医療界キーパーソンに聞くPART4』(共に世界日報社刊)の出版を祝う会が28日夕、都内で開かれ、与野党の有力国会議員らが多数参加した。

長野

出版を祝う会であいさつする政治評論家の長野(示へんに右)也氏=28日、都内で

 長野氏はあいさつの中で、安倍首相に伝えたいこととして5点を提言。第一に北朝鮮問題では、「中国に対する日本の外交努力は十分ではなかった。中国が米国との関係の損得だけで動くのは日本にとってプラスとは言えない」と指摘。北朝鮮を抑え込むため、日本が米中連携をコントロールできる外交力を発揮する必要性を語った。

 第二に、税と社会保障の一体改革を再構築し、財政再建も念頭に置いた将来像を示すよう注文。第三には、地震国日本で原子力発電への依存はリスクが大きく、「依存度を徐々に下げて脱原発に向けた工程表を作ることが必要だ」と強調した。

 第四に「憲法改正は力強く掲げつつ、しかし急ぐなかれ」として、与党の公明党を無視して突き進めば「連立から離脱すると見ている」と語った。第五に、安倍首相に大宰相の風格がないのは、安倍政治は不人気な政策を先送りするなど王道の政治ではないからだと指摘し、その上で、「不人気を恐れず将来のための改革をやり遂げてほしい。それこそが、王道の政治であり、それができてこそ初めて長期政権にふさわしい宰相の風格が出てくるのではないか」と述べた。

 また、自民党の高村正彦副総裁、石破茂元幹事長、加藤勝信厚生労働大臣、塩崎恭久前厚生労働大臣、田村憲久元厚生労働大臣、立憲民主党の福山哲郎幹事長、希望の党の玉木雄一郎代表、長島昭久政調会長、細野豪志憲法調査会長、読売新聞の橋本五郎特別編集委員らが激励のあいさつ。発起人代表として木下義昭・世界日報社会長が冒頭のあいさつを行った。