辞意表明の当日に稲田朋美氏のダメっぷりを暴露した文春・新潮
◆見る目なかった首相
稲田朋美防衛相が辞意を表明した27日、その日の朝、店頭に並んだ週刊文春(8月3日号)と週刊新潮(同)はそろって稲田氏を取り上げ、防衛大臣としての資質を問う記事を載せていた。8月3日と言われている内閣改造までは到底持ちそうになく、居座れば居座るほど、内閣支持率を引き下げることになるから、南スーダン派遣自衛隊日報問題の特別防衛監察結果が発表されるこのタイミングが途中下車できる最後の駅だった。
おそらく週刊誌もそう読んでいたから、集めていた情報を一挙に放出したのだろう。ただし、「辞意表明」という見出しを付けられたところは一つもなかったが。
「産経まで見放した“えこひいきの女王”稲田朋美の本性」という刺激的なタイトルが躍るのは週刊文春である。安倍晋三首相の“お気に入り”というだけで、防衛相になるための経験も知識も持ち合わせていない当選3回の稲田氏が「大臣の器にあらず」だったのは当然のことだ。振り回された防衛省、自衛隊はたまったものではない。「防衛官僚覆面座談会」では、既に辞意表明を見越していたのか、稲田氏を「お姫さま」と呼び、そのダメっぷりの数々を憚(はばか)ることなく暴露している。
「本性」の記事、座談会の記事とも、稲田氏の言動に「ボヤく」(今井尚哉首相秘書官)、「絶句」する(菅義偉官房長官)、「のけぞりました」(官僚)、などしていた様子を伝えているが、それほど手を焼くご仁だったのに、それでも稲田氏を庇(かば)っていた安倍首相の責任は大きいと指摘する。同誌は「突き詰めれば、安倍晋三首相の人を見る目がなかったということになる」と突き放しているが、同感だ。
◆蓮舫氏の記事はなし
週刊新潮は「大嘘つき」呼ばわりだ。「まつエクしている場合か『稲田朋美』」の記事ではもっぱら日報問題での対応を批判した。ないと言ったものがある。ないことにする。出てきてしまった―。こんな展開では、「防衛省を統括できているのか」という蓮舫民進党代表(当時)の突っ込みに賛同しないわけにはいかない。
両誌で微妙に違う見方をしているのが、安倍首相の稲田氏への態度だ。両誌とも、昨年12月、真珠湾を訪問した直後に稲田氏が靖国神社を参拝したことについて、安倍首相が「怒り心頭」だったことは紹介しているが、新潮がこの時「見限った」としているのに対して、文春は「『(内閣)改造で代えればいい』との姿勢をなかなか崩そうとしない」としているのだ。安倍首相の心はどっちだったのだろうか。
「稲田辞意」「蓮舫辞意」が同日になったのは意図したことなのかは分からないが、蓮舫氏に関しては記事がないところを見ると、直前まで役員人事だけで乗り切ろうとしていたのを、そのまま受け取っていたのだろう。だが、野田氏が幹事長辞任した時点で民進党役員人事は荒れることが分かっていたのだから、この週に記事が出てもよかったのではないか。
◆期待裏切った今井氏
さて、女性の話題をもう一つ。こちらはアッサリと「ごめんなさい」してしまった今井絵理子参院議員の「略奪不倫」の話だ。週刊新潮が報じた。巻頭のグラビアもあり、周到に追跡取材していたことが分かる。
今井氏は元「SPEED」という少女グループ歌手で、昨年の参院選で「政治のズブの素人」ながら、知名度を生かし32万票を獲得して比例5番で当選した。ところが、今井氏が現在「血道を上げている」ものは政治ではなく別のものだった。
「簡単に言えば、仕事よりも男に溺れている。彼女の周辺は、みなそのことを苦々しく思っていますよ」と「芸能関係者」は新潮に語っている。マンションやホテル、新幹線車内など、多くの写真があるところをみると、今井氏が長い間、尾行されていたことがうかがわれる。中には新幹線車内のシートで手を繋(つな)ぎ合って眠りこけている写真もあり、隙だらけだったことが分かる。相手は神戸市議の男性で、頻繁に上京したり、今井氏と行動を共にしているようだ。
今井氏は「障害児を抱えたシングルマザー」のイメージを打ち出して当選し、政治活動をしているはずで、これは明らかに「有権者を裏切る」行動だ。記事が出てからはワイドショーの“餌食”となり、カメラの前で釈明した。「一線は越えていないんです」とは、笑わせる。
(岩崎 哲)