「私の手で必ず拉致解決」 岸田首相 都内集会で意欲
岸田文雄首相は13日、東京都内で開かれた、北朝鮮による日本人拉致被害者全員の即時一括帰国を求める「国民大集会」(主催=拉致被害者家族会など)であいさつし、「私の手で必ず解決しなければならないと強く考えている」と述べ、拉致問題解決に強い意欲を示した。集会には約800人が参加した。
首相は、2002年以降拉致被害者の帰国が実現していないことに触れ、「いまだに多くの被害者の方々が北朝鮮に取り残されていることを本当に申し訳なく思う」と謝罪。
その上で、「拉致問題は岸田内閣の最重要課題だ」とし、「私自身、条件を付けずに金正恩委員長と直接向き合う決意だ」と強調した。
横田めぐみさん=拉致当時(13)=の母早紀江さん(85)は、「真っ暗な船底で泣き叫び、指から血が出るほど壁をかきむしりながら連れていかれた」という元工作員の証言を紹介。「一人一人の残酷な思い出が積み重なって今日まで来ている。13年間しか育ててあげられなかったことが本当に悔しい」とつらい心境を吐露した。
「あんなに頑張っていたお父さん(滋さん=昨年6月に死去=)は小さな箱の中に眠っている」とし「体が動くうちにできることを一生懸命やっていかなければならない」と訴えた。
家族会代表で、田口八重子さん=拉致当時(22)=の兄飯塚繁雄さん(83)は「新型コロナの感染拡大でわれわれの活動も長く途絶えてしまったが、絶対に諦めるわけにはいかない。拉致解決に向けた日程表を作り、それに対する答えを出してほしい」と政府に求めた。
同会の事務局長で、めぐみさんの弟拓也さん(53)は「北朝鮮は金正恩総書記しか決裁できない国家体制であり、岸田総理大臣が強い思いをもって向き合ってほしい」と強調した。