国会代表質問 与野党協力でコロナ禍克服を


 菅義偉首相の施政方針演説など政府4演説に対する各党代表質問が国会で始まった。

 新型コロナウイルス禍という未曽有の国難の中である。与野党ともに感染収束のために何が必要かを真剣に議論し、協力していくことが求められる。

 枝野氏は対決姿勢明確に

 立憲民主党の枝野幸男代表はコロナ感染拡大を受け、首相の掲げた経済再生との両立ではなく、感染収束の徹底を図る「zero(ゼロ)コロナ」を提唱した。対立軸を打ち出し、政府との対決姿勢を明確にしたものだ。緊急事態宣言発令のタイミングについても「後手に回った」と批判した。

 ただゼロコロナを主張するのであれば、コロナ対策の特別措置法などの改正に関して「罰則をちらつかせて対策を進める姿勢では、国民の信頼と協力は得られない」と指摘したことには疑問が残る。

 枝野氏が感染収束徹底の成功例として挙げた台湾は、感染者や濃厚接触者、海外から戻った人に義務付ける14日間の隔離を徹底。隔離された人に1日当たり1000台湾㌦(約3600円)の補償金を支給する一方、違反者に最高100万台湾㌦(約360万円)の罰金を科すなど厳しい罰則を設けた。やはり例に挙げたニュージーランドでも、厳格な外出規制を実施して封じ込めに成功している。

 首相は法改正について「個人の権利に十分配慮しつつ、感染拡大防止を図るため、入院を拒否した場合には罰則の規定を設けるなどの改正を行う」と答弁した。立憲内では私権制限への慎重論が根強いようだが、感染封じ込めのため一定の制限はやむを得ない。もちろん、状況に応じて企業や家計への支援を拡大することは必要であろう。政府も野党の提案で取り入れるべき内容は政策に反映させていくことが求められる。

 このほか安全保障問題に関して、枝野氏は沖縄県・尖閣諸島問題に言及。昨年11月に来日した中国の王毅国務委員兼外相が尖閣の領有権を主張したことを、中国海警船の領海侵入などと併せて「失礼千万」と批判し、政府の外交努力について質問した。しかし単に政府の姿勢を問うだけでなく、立憲自らが対中政策の提言を積極的に行うべきではないのか。

 また東京電力福島第1原発から出る放射性物質トリチウムを含んだ処理水の処分方法をめぐって、枝野氏は最新技術でトリチウムの分離に挑戦すべきだと訴えた。だが、政府が検討している海洋放出は海外でも行われている。風評被害をいかに抑えるかが重要だ。

 合意を改憲につなげよ

 自民党の二階俊博幹事長は、東京五輪・パラリンピックについて、コロナ禍の中で「逆境からはい上がっていく時には希望の力が必要だ」と述べ、政府の五輪実現への取り組みにエールを送った。

 憲法改正に関する国民投票法改正案で、自民、立憲両党が今国会で「何らかの結論を得る」ことで合意していることに関して、首相は「合意の実現に強く期待している」と述べた。改正案を速やかに成立させ、改憲につなげる必要がある。