海ごみゼロへ情報発信、削減の優秀団体を表彰
日本財団と環境省がシンポ開催
日本財団と環境省は17日、海洋プラスチックごみ問題解決に取り組む企業・団体の活動や、現状の研究成果を紹介し情報発信する「海ごみゼロ国際シンポジウム」を都内で開催した。
シンポジウムでは、環境省の高橋康夫地球環境審議官が、長野県軽井沢町で開かれた20カ国・地域(G20)エネルギー・環境関係閣僚会合の成果を報告。海洋プラごみの回収・流出防止の徹底などを求める国際枠組みの創設が盛り込まれた共同声明の内容を説明した。原田義昭環境相は冒頭であいさつし、「国際会議では、各国がしっかりと一致して決意した。海洋環境保全に向けた機運を盛り上げたい」と述べた。
同シンポではまた、九州大学の磯辺篤彦教授が、海の微細なプラごみ「マイクロプラスチック」の太平洋の海面浮遊量が、2030年までに16年の約2倍、60年までに約4倍に増えるとの予測を発表。こうした予測がまだ未熟であると指摘し、「正確な予測のため、マイクロプラスチック浮遊量の観測手法を研究者同士で比較できるよう標準化が必要だ」と強調した。
最後に、全国から募集した海洋プラごみ削減活動254件のうち優秀な活動に対する「海ごみゼロアワード」の表彰式が行われた。最優秀賞には荒川河川敷のごみ拾い活動を行う「荒川クリーンエイド・フォーラム」が選ばれ、秋元司環境副大臣が表彰状と、活動奨励金として100万円を授与した。