東京に聖火到着 「トーチキス」でつなぐ
五輪の聖火が9日、開催地である東京に到着した。聖火は到着の式典を済ませた後、芝生広場「町田シバヒロ」(町田市)に運ばれ、コロナ対策のため島しょ部を除き中止となった公道走行に代わり、ランナーらは互いにトーチを重ね合わせる「トーチキス」で聖火をつないだ。これらの行事は無観客で行われ、オンラインで配信された。
聖火到着の式典は駒沢オリンピック公園総合運動場(世田谷区)で行われた。射撃でパラリンピックに3度出場した田口亜希さんが車いすに乗ってランタンで聖火を運び、小池百合子都知事に手渡した。
小池知事は「厳しい状況を全国の皆さまの強い思いと、さまざまな工夫によって乗り越えてきた。無事に聖火を迎えることができ、心から感謝を申し上げる」とあいさつ。田口さんは「オリンピックスタジアムに、皆さんの思いが込められた聖火がともることがとても楽しみです」と語った。
町田市で行われた点火セレモニーには、東京のリレー初日に世田谷区、狛江市、稲城市、町田市で走る予定だったランナーが集まり、トーチキスを行った。最初の走者となる元テニス選手の松岡修造さんは「聖火の炎をつなげていくという役割はなかなかできることじゃない。感謝している」と語った。一方、会場外では「オリンピックを中止しろ」と訴える人たちの姿も見られた。
聖火は大会が開幕する23日までの15日間、島しょ部を除く各地で無観客の点火セレモニーでつながれる。