香港、厳戒態勢で抗議封じ


中国共産党100年

警備に大量動員、中心部封鎖

1日午後、警察当局による厳戒態勢が敷かれた香港島中心部(時事)

 【香港時事】中国共産党創立100年に加え、英国から中国への香港返還24年を迎えた1日、香港では市民の抗議活動を封じるべく、厳戒態勢が敷かれた。香港では毎年、返還記念日に民主派団体が大規模デモを行ってきたが、今年は実施を断念。報道によると、当局は警備に約1万人を動員し、例年デモ隊の集合場所となる香港島中心部の公園を封鎖した。

 香港では中国の建国記念日などは祝われるものの、一国二制度の建前上、中国共産党が政党として表立った活動をしたり、香港政府が党を礼賛する公式行事を催したりすることはない。そのため、この日も例年通り、香港返還を祝う記念式典が執り行われた。ただ、政府トップの林鄭月娥行政長官は北京の創立100年記念式典に出席し、香港の街中では共産党をたたえる広告や中国国旗が掲げられた。

 1日午前の返還記念行事で長官代理として祝辞を述べた李家超政務官は、中国が香港にもたらす恩恵を強調。2019年の反政府デモを念頭に、「黒い暴力」に見舞われた香港が、中国政府主導での国家安全維持法制定と選挙制度変更によって「混乱が収まり、秩序を取り戻した」と述べた。