西矢椛が平然と金、日本史上最年少13歳で獲得
2回連続して失敗し焦るが、大技を決めて「すっきり」
物おじしない13歳が新競技のスケートボードで歴史に名を刻んだ。西矢は予選を終えた時点で、「いつもの大会と全然変わらない」とさらり。無邪気な笑みを浮かべて高度なトリック(技)を成功させた。日本の五輪史上、最年少の金メダリストは「うれし過ぎて、涙がこみ上げてきた」。今度は目を赤くした。
決勝の前から緊張ともプレッシャーとも無縁だった。45秒間、自由演技をする2度のランを終えて、まずまずの3位。しかし、一発で技を出すベストトリックでは、いきなり2回続けて失敗し、「焦っていた」。
だが、ここで崩れない。3本目で4・15点を出すと、4本目では板を水平に回転させてからハンドレール(手すり)に乗る大技を決めた。「乗った後はすっきりした」。両手を突き上げて晴れやかに笑った。
一緒に表彰台に上がった中山の存在も大きかった。順番が来るまでの間、2人で話していたのは、スケートボードをする時に聴く音楽について。「友達であり、ライバル」(西矢)と過ごす時間が快挙達成を後押ししたようだ。
7歳で本格的に始めたスケートボード。技が難しくなるにつれて恐怖心も増したが、レールの高さを少しずつ上げていくなど工夫した。有名スケーターの動画を見て研究を重ね、「新しい技を成功した時が一番楽しい」。どんどん技術を吸収した。日本代表の早川コーチは「センスを感じるし、基礎がしっかりしている」と評した。
将来、海外を拠点に活躍する姿を思い描く。「世界で知らない人がいないくらい、有名になりたい」。決して大げさには聞こえない。