13歳西矢選手、「楽しく笑顔で」目標に初代王者


兄の影響で始めたスケボー、あっという間にトップクラスに

13歳西矢選手、「楽しく笑顔で」目標に初代王者

スケートボード女子ストリート決勝で演技を終え、笑顔を見せる西矢椛選手=26日、有明アーバンスポーツパーク(時事)

 新競技の初代チャンピオンに輝いたのは、あどけなさが残る13歳だった。日本史上最年少メダリストとなったスケートボード女子ストリートの西矢椛選手=ムラサキスポーツ=。五輪の目標を問われ、「最後まで楽しく笑顔で滑り切ること」と話していた中学2年生は、快挙に目を真っ赤に腫らし、「うれしい」とこぼれんばかりの笑みを見せた。

 スケボーが東京五輪の競技に決まった2016年、西矢選手は8歳だった。兄の影響でスケボーを始めていたが、「実力もなかったし、関係のない話だと思っていた」と母智実さん(39)は振り返る。

 それでも大会に出始めると、上半身を安定させ、スピードに乗って滑るスタイルを武器に、あっという間に頭角を現した。19年に米国で開かれた大会で好成績を残し、トップクラスの仲間入りをした。

 五輪でも「普段の大会と変わらなかった」と話すように、年上ばかりの大会でも物おじしない度胸は人一倍。ただ、日本代表の早川大輔コーチによると、過去の大会では緊張とプレッシャーでパニックになり、試合中に泣いてしまう幼さを見せたことも。西矢選手が「優しい」と慕う西村碧莉選手に「できるよ」と背中をたたかれ、どうにか試合に戻ったこともあった。

 優勝後のインタビューでは、あっけらかんとした様子で、「(メダルを)取れたらいいなくらいだったけれど、取れてうれしい」と語った西矢選手。夢は「プロスケーターになり、世界で知らない人がいないくらい有名になりたい」。かなえる日は、そう遠くない。