体操男子団体、わずか0.103差で連覇ならず
橋本が新エースにふさわしい働きで中国を逆転、パリは金を
体操日本の主役を託された橋本ら若者が、しっかりと伝統を受け継いだ。平均年齢21・5歳のメンバー4人全員が初出場で臨んだ団体総合。これまで日本を支えてきたエース内村が舞台を去った中、わずか0・103点差で連覇は逃したものの、銀メダルを確保した。
選手にも衝撃を与えた2日前の予選落ちの後、内村は最後に「僕が見せられる夢はここまで」と言った。自身の引き際を語る言葉には、次世代への「主役は彼ら」という期待も込められていた。
19歳の橋本は腰を気にする様子を見せながらも5種目で役目を果たした。最後の演技者となった鉄棒では、他の3人の応援を受けながら高難度の手放し技を次々と決め、完璧な着地。「みんなの思いが詰まった演技だった」。新エースにふさわしい働きで中国を逆転した。
4月の負傷から復活した18歳の北園、跳馬で高難度の技を決めてチームを盛り上げた谷川に、萱も団体の主将としてチームを引っ張った。それぞれが持てる力を振り絞った姿は、新生日本を象徴した。
全員がノーミスでもロシア・オリンピック委員会(ROC)を上回れなかったのは、まだ絶対的な力の差があることを示す。それでも、橋本らは世界への挑戦を始めたばかり。3年後のパリ、そして28年ロサンゼルスへ-。「この銀メダルは絶対に忘れない。次のパリは金メダルを取る」と北園は力を込めた。内村ら先人が見せてきた「夢」をつなげてくれるはずだ。