メダルを射抜いた武藤弘樹、勝利の瞬間に涙
アーチェリー男子団体で銅、ほぼ中心を射抜き劇的な幕切れ
日本がメダルを手にするには、10点かつ相手より中心に近い位置を射る必要があった。「やるしかない」。後がない状況で3番手武藤が放った矢はほぼ中心へ。銅メダル。劇的な幕切れだった。
オランダとの3位決定戦は相手のミスにも救われ、第4セットで追い付いてシュートオフへ持ち込んだ。1射目に10点を挙げたオランダに対し、河田と古川はともに9点。18-28で最終の武藤に回った。勝利の瞬間に涙した武藤は「今までもらった中で一番重いメダル」と実感を込めた。
直前の韓国との準決勝も似た状況だった。シュートオフで武藤が10点を取れば勝てたが、9点にとどまり惜敗。決勝進出を逃しても「調子が悪くて負けたわけじゃない。この調子でいこう」。ベテランの古川がチームを鼓舞し、悔しい経験をすぐに力に変えた。
男子団体では初のメダル。金メダルを獲得した韓国を追い詰め、ロンドン五輪個人の銀メダリストでもある古川は、「層が厚くなったのは事実。すごい頼もしいメンバーと試合ができた」。頂点に近づきつつある。