トランプ的“逆発想”で北核問題を解決すれば


韓国紙セゲイルボ

 「トランプ的な思考」の特徴は交渉の場を変える“逆発想”だ。もし北朝鮮に対して強い制裁を武器に直接交渉し、さらに米国の懐に抱きしめて、北核問題を解決するという逆発想をすればどうなるだろうか。

トランプとペンスとマティス

1月27日、ワシントン郊外の国防総省で、テロ対策としてすべての国から難民受け入れを120日間停止する大統領令に署名したトランプ大統領(中央)。左はペンス副大統領、右はマティス国防長官(AFP時事)

 このような逆発想は1990年代末、筆者が韓半島エネルギー開発機構(KEDO)代表として、北朝鮮の軽水炉原子力発電所建設敷地で勤めていた時に会った北朝鮮人の共通した心理、「北朝鮮も内心自身の安保を中国よりは米国に依存しようとしている」という点から見ればおかしくはない。

 この“逆発想”は中国には大きな衝撃になるだろう。交渉の達人トランプは逆発想を通じて、北朝鮮問題、サード問題、貿易と為替問題などすべてのイシューを中国に対して有利な交渉カードに変えることができる。もちろん韓国の次期政府は強いムチとニンジンを同時に駆使するこのような戦略転換の可能性に備え、韓国の意見を積極的に提示しなければならない。

 一時、韓国が北朝鮮と最小限でも対話協力し、日本と若干の緊張関係を維持している時、米国と中国のどちらからも苦しめられなかったという事実が興味深い。韓国が中国のサード報復に毅然(きぜん)と耐え抜き、慰安婦合意と関連した日本の挑発に堂々と対応する姿を米国に見せなければならない。次期政府は韓国社会の合意を基盤とした超党派的外交能力を発揮しなければならない。

(李賢主(イヒョンジュ)東北アジア歴史財団事務総長、1月24日付)

※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。