中国 米の最新チップに食指、兵器開発に導入へ
米新興IT企業タヒュームが米軍と協力して開発を進めている最新マイクロチップ「プロディジ」の技術を中国が購入しようとしていたが、拒否されていたことが分かった。
タヒュームのCEO、ラドスラブ・ダニラク氏がワシントン・タイムズに語ったところによると、中国側から10億㌦での買い入れの申し出があったが、中国共産党政治局員の家族が関わっていることが明らかになり、提案は拒否されたという。
米当局者によると、プロディジは従来のチップよりも大幅な演算速度の向上が期待できることから、兵器やAI(人工知能)の開発を促進し、防衛、コンピューター産業に大きな影響を及ぼす可能性があるという。
ダニラク氏によると、人間の脳の機能を模倣した最新のAIシステムに使用されることが見込まれている。現在、最初の試作品のテストが進められており、7月には製造が開始される予定。年内にはプロディジを使ったスーパーコンピューターの製造も始まるという。
米政府はすでに、核兵器、先進兵器、防衛システムの開発、試験に使用することを検討している。防空システムに使用することで、中露が配備、開発を進める極超音速ミサイルの迎撃も可能になるとみられている。空中、水中の無人兵器に使用することも検討されている。
ダニラク氏はプロディジが実用化されれば、「敵ができないことができるようになる」と指摘、中国などに対する軍事的優位の維持に貢献できる可能性を指摘した。
高速で、消費電力も小さいことから、大手IT企業などで使用されれば、サーバーの冷却費を大幅に削減できるというメリットもある。
米政府は、経済的、軍事的に中国に対抗するためにAI技術の開発を重視しており、新型チップ開発の動向に注視しているという。