沖縄の米軍ヘリパッド建設を妨害する「反対派」の「正体」に迫った新潮
◆機動隊員に罵詈雑言
沖縄ヘリパッド建設地で警備する機動隊員が「反対派」に「土人」と発言したことで非難を浴びているが、これをきっかけにむしろ「反対派」の「正体」に注目が集まりだした。彼らにとっては予想外のブーメランとなっている。
週刊新潮(11月3日号)が現場リポートを載せた。記者が目の当たりにした“実態”を引用する。
反対派は機動隊員にこんな言葉を投げつける。「(トラックを)どけろ! お前、理由を言え、コラ!」「早く異動願出せよ! 心がボロボロになるぞ!」「犯罪者! 盗撮するな!」「市民を妨害するのは仕事じゃないでしょ。それで税金から給料もらっているんですか! その制服コスプレでしょ! 青服のコスプレ集団ですね!」。
機動隊員は何も言えず、小突かれても手も出せず、じっと耐えて立っているだけだ。こうした罵詈(ばり)雑言が繰り返されれば、確かに「心がボロボロになる」はずである。「土人」の一言も出てこよう。
しかし、現地紙によると、前述の罵詈がこうなる、と同誌は紹介する。
「建設に反対する市民ら約20人が、工事資材を運ぶダンプの出入りに抗議しています。排気口の向きが法令違反だとして、機動隊員に『出入りを止めるべきだ』と指摘しています」(沖縄タイムス「辺野古・高江取材班」のツイッターより)
反対派はおとなしく抗議活動をしているわけではない。国道に座り込みし、道を遮って「私設検問」を行い、一般住民の車を追い返したりしている。そして機動隊員への暴言、暴行。さらには米軍敷地に不法侵入も行っている。まさに「『無法地帯』となっている」というのだ。これらは報じず、「法を執行している」側だけを非難するというのはどうみても公平さに欠けるだろう。
◆筋金入りの活動家
「沖縄県警の関係者」が同誌に語る。「違法行為はスルーして、さんざん挑発された機動隊員の発言だけを切り取って徹底的に批判する。このバランス感覚は何なのでしょうか。高江についての報道は、一事が万事、似た有様なのです」
また「地元沖縄メディアのさる記者」は、「要は、彼ら(反対派)は挑発して、機動隊員らが失言したり、手を出してくるのを狙っているんです」と語る。沖縄メディアにもこうしたまともな記者がいるのだ。今頃は反対派によって「さる記者」探しが始まっているかもしれない。
現在、インターネット交流サイト(SNS)やユーチューブでは反対派の「抗議活動」の実態が数多く紹介され拡散している。反対派への批判も出てきているが、そもそも反対派「オスプレイヘリパッド建設阻止高江現地行動実行委員会」とは一、何者なのか。これこそが読者が知りたいところだ。
同誌によると、「反対派のリーダー・山城博治」は「元沖縄県の職員で自治労の幹部、そして今は『沖縄平和運動センター』なる団体の議長を務める。辺野古でも米軍基地に不法に侵入し、刑特法違反で逮捕された経歴を持つ、筋金入りの反基地活動家」である。
「事務局長はパク・ホンギュ氏。大阪で中学校の教師を長年務め、定年退職後、来沖。基地反対運動に取り組み、やはり辺野古で活動してきた人物」だという。
「こうした主導者に、県内、県外問わず、各種の『基地反対』団体が、濃淡それぞれ取り巻き、『委員会』は構成されている」と同誌は説明する。
◆聞こえぬ“地元の声”
だが、「運動に“地元の声”がほとんど聞こえてこない」と「沖縄県警関係者」は同誌に語る。「もともとの住民の大勢は“オスプレイは反対だけど、来るものは仕方ない。ならば騒音や安全対策をきちんと要求し、その補償をしっかりと受け取るべきだ”との現実的な意見で占められている」のだという。要するに地元の声を反映したものではなく、“よそ者”の“活動家”が彼らの基地反対という目的で行っている活動だということなのだ。
だが、いまひとつ隔靴掻痒(かっかそうよう)の感があるのは、活動家のバックにあって、沖縄はじめ国内の米軍基地反対運動をコントロールしている背後勢力はないのだろうか、ということだ。同誌は今後も活動家の「正体」に深く迫ってほしい。
(岩崎 哲)