最期の迎え方 「死」の意識遠のく


不幸招く延命至上主義

 超高齢社会は、最期まであまり時間のない人が多くなるだけでなく、現実に亡くなる人が多い社会である。昨年1年間に亡くなった人は130万人を超えた。これは戦後最低だった1966年(約67万人)の倍近い。

 この数字の表す超高齢社会の現実は、私たちに死生観の変化を促すはずである。例えば、それぞれの私生活においては、亡くなった親類縁者や知人の葬儀に参列する機会が増える。そうなれば、自らの人生を顧みて、どのように生きて、どのように最期を迎えるのかについて、自然に思いを馳せるようになるだろうから、日本人の死生観の深まりを期待していたが、どうも人間はそれほど潔くはないようだ。


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