認知症治療の課題、危険な薬への過剰依存


周辺症状の緩和が鍵

 月刊誌で最近目立つ論考のテーマは「死」「老」「病」だ。12月号では、「潮」が認知症の特集を組み、作家の橋本治は「新潮45」に「年を取る」を連載している。

 論壇におけるこの傾向は超高齢社会を反映しているのは間違いないが、そこからさらに思考を深めると、死生観を問い直して思考の枠組みの転換を迫るものとなるから興味深い。「生老病死」という仏教の言葉があるように、本来生きることと老い、病そして死は切り離すことのできない関係にある。しかし、新薬の開発や医療技術の発達の中で、生からその他の三つの「苦」を切り離そうと、躍起になってきたのが文明社会ではないのか。


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