悠仁殿下、王室と親密交流
「幸せの国」で成長の夏
「海外から日本を」御夫妻の思い
秋篠宮殿下御夫妻と長男悠仁殿下(12)=お茶の水女子大付属中1年=は25日、私的旅行先のブータンから帰国された。悠仁さまにとって初の海外。10日間の日程中、ワンチュク国王に羽織はかま姿で会い、国王一家や同年代の生徒と交流され、動物のラバに乗って標高3500㍍地点の放牧キャンプも訪れられた。「幸せの国」への旅で成長した夏となった。
「(日本と)すごく似ている感じがします」。悠仁さまは20日、同国の印象をこう語られた。今回の旅は、夏休み中の悠仁さまが同国の自然や文化を体験するのが主目的だった。
宮内庁によると、御夫妻が1997年にブータンを親善訪問して以降、王室からたびたび招待があった。同国が私的旅行先に選ばれた理由について、同行した池谷和信・国立民族学博物館教授は「自然が豊かで気候や治安も良く、日本と文化的に近い所があり、英語も通じる。日本を海外から見て理解するという意味ではふさわしい国。ご夫妻もそのことを分かっていた」と解説する。
「健脚」(秋篠宮家関係者)という悠仁さまは、滞在中はハイキングなどで同国の自然に親しむ一方、国王一家と親密に交流。国王を表敬した際は、特別な機会に出されるという巨大な曼陀羅(まんだら)が掲げられ、最大級の歓待を受けた。
王室から公表された悠仁さまが国王夫妻の長男のジグメ・ナムゲル王子(3)と写った写真は、両国の末永い友好を象徴する一枚となった。
ただ、皇位継承順位1位の秋篠宮さまと同2位の悠仁さまが一緒に海外に行くという異例の旅で、宮内庁幹部は安全確保などの点で頭を悩ました。日程も直前まで確定しなかったが、現地では大きなトラブルもなく充実した日々を送った。
悠仁さまは20日、首都ティンプーの学校を訪られれ、同年代の生徒と交流。同国では、国語以外の授業は全て英語で行われている。池谷教授は「現地の子供たちの元気で輝いている姿に、悠仁さまも刺激を受けられたのではないか」と話す。