両陛下、初の全国植樹祭
11年ぶりお言葉復活 愛知
「健全な森を次世代に」
愛知県を訪問中の天皇、皇后両陛下は2日午前、尾張旭市の県森林公園で開催された第70回全国植樹祭に出席された。天皇陛下は「健全な森を次世代のために造っていくことは、私たちに課せられた大切な使命であると考えます」とお言葉を述べられた。
全国植樹祭は、戦災で荒廃した国土を再生する目的で始まった国土緑化運動の中心的行事で、年1回開催。天皇、皇后が臨む主要地方行事の一つで、両陛下の出席は今回が初めてとなる。
天皇陛下は式典で、植樹祭の70年にわたる歴史の重みと、国土緑化に長い年月をかけてきた先人の努力に思いをはせ、「感慨を覚えます」と述べられた。植樹祭でのお言葉は、上皇陛下(当時は天皇陛下)の負担軽減のため2008年を最後になくなっており、今回11年ぶりに復活した。
その後、天皇陛下はスギやクスノキ、皇后陛下はシデコブシやヒトツバタゴなど計6種類の苗木をくわを使って植え、ヒノキなど計4種類の種をまかれた。
両陛下は同日午後、岡崎市の愛知県三河青い鳥医療療育センターを訪問。センターに入院する肢体不自由の子供たちが貼り絵などをする様子を視察し、天皇陛下は「きれいにできましたね」などと笑顔で語り掛けられた。
その後、車いすの心身障害者によるダンスも見学。皇后陛下は、ダンスをした男性に「ずいぶん練習されましたね。体を大事になさってね」と気遣われた。