新天皇陛下 ご即位


令和初日、列島祝福

 天皇陛下は1日、皇居・宮殿「松の間」で、皇位の証しとされる剣と勾玉(まがたま)などを受け継ぐ「剣璽等承継の儀」と、国民代表と初めて会う「即位後朝見の儀」の二つの即位儀式を終えられた。初めて述べられたお言葉で、退位された上皇陛下にならい、憲法が定めた「象徴天皇」の務めを果たす決意を表明された。令和初日、約30年ぶりとなる皇位継承を国民が各地で祝福した。

皇居で2儀式
「研鑽に励み、国民を思い、寄り添う」

 陛下は午前10時半から、即位後初めての儀式となる剣璽等承継の儀に厳粛な雰囲気の中で臨まれた。同席する皇族は前例に沿って成年男性に限定されたため、皇后となられた雅子さまは出席されなかった。安倍晋三首相ら三権の長、閣僚ら26人が国民代表として参列した。

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新天皇陛下は「即位後朝見の儀」でお言葉を述べられた=1日午前11時15分、皇居・宮殿「松の間」(代表撮影)

 午前11時すぎからの「即位後朝見の儀」では、天皇、皇后両陛下がそろって登壇。天皇陛下は「上皇陛下のこれまでの歩みに深く思いを致し、常に国民を思い、国民に寄り添いながら、憲法にのっとり、日本国および日本国民統合の象徴としての責務を果たすことを誓います」と述べられた。政府、国会、裁判所の要人ら292人が見守った。

 陛下は59歳で、戦後生まれ初の天皇。海外留学経験がある天皇も初めてだ。1日は早速、新侍従長ら認証官の任命式などをこなし、公務を始められた。4日に皇居での一般参賀に出席。5月下旬に国賓として来日するトランプ米大統領と会見し、「皇室外交」にも取り組まれる。

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新天皇陛下は「剣璽等承継の儀」に臨まれた。手前は「三種の神器」の剣と璽=勾玉(まがたま)=を「案」と呼ばれる台の上に置く侍従=1日午前10時32分、皇居・宮殿「松の間」(代表撮影)

 一連の即位の礼の中心儀式となる「即位礼正殿の儀」は10月22日に行われ、陛下が即位を宣明される。同日は祝賀パレードも行われる。11月14、15両日には皇位継承に伴う「大嘗祭」が皇居・東御苑で挙行される。

 皇位継承順位は、秋篠宮殿下(53)が1位の皇嗣となり、秋篠宮殿下の長男悠仁殿下(12)が2位、上皇陛下の弟の常陸宮殿下(83)が3位。退位された上皇陛下は全ての公務から退き、再び即位することはない。

 女性皇族は結婚すると皇籍を離脱するため、皇族数の減少が懸念されている。皇位の安定継承策や、皇族が担ってきた名誉職などの継続が課題となる。