両陛下に本庶さんら講義
「講書始の儀」平成最後
天皇、皇后両陛下が年頭に学界の第一人者から講義を受けられる「講書始の儀」が11日午前、皇居・宮殿で、皇太子殿下や秋篠宮殿下御夫妻ら皇族方も出席されて行われた。皇太子妃雅子殿下は発熱を伴う風邪の症状があり、出席を見合わせた。
毎年1月に行われてきた講書始の儀は今回で平成最後となる。宮内庁によると、4月30日の退位を控え、両陛下が年頭恒例の講書始の儀と歌会始の儀に出席されるのは今年で最後となる見通し。
今年の進講者とテーマは、ノーベル医学生理学賞を受賞した京都大の本庶佑特別教授(76)の「免疫の力でがんを治せる時代」▽小松和彦・人間文化研究機構国際日本文化研究センター所長(71)の「日本妖怪文化再考」▽江頭憲治郎・東京大名誉教授(72)の「日本のコーポレート・ガバナンス」。
宮内庁によると、講書始の儀は明治天皇が1869年に学問奨励のため定めた「御講釈始」が始まりとされ、当時は国書や漢書などについての講義が行われていた。1953年から、人文科学、社会科学、自然科学の権威が講義を行う現在の形になったという。