天皇陛下85歳 半生回顧、最後の御会見
「多くの国民の支えに感謝」
天皇陛下は23日、85歳の誕生日を迎えられた。これに先立ち、皇居・宮殿「石橋の間」で記者会見。来年4月30日の退位を控え、自身の半生を回顧して「平成が戦争のない時代として終わろうとしていることに、心から安堵(あんど)しています」と述べられた。
宮内庁によると、陛下の記者会見は今回が最後。即位以来、象徴天皇の望ましい在り方を求めてきたと述べ、「譲位の日を迎えるまで、引き続きその在り方を求めながら、日々の務めを行っていきたい」と話された。
沖縄への思いや、サイパンやパラオなど戦後の節目の「慰霊の旅」、雲仙・普賢岳噴火(1991年)をはじめとした被災地訪問、障害者支援、国際親善など象徴としての務めを振り返り、「天皇としての旅を終えようとしている今、これまで、象徴としての私の立場を受け入れ、支え続けてくれた多くの国民に衷心より感謝する」と語られた。
来年4月10日に結婚60年をお迎えになる。「自らも国民の一人であった皇后が、私の人生の旅に加わり、60年という長い年月、皇室と国民の双方への献身を、真心を持って果たしてきたことを、心から労(ねぎら)いたく思います」と皇后陛下に感謝の言葉を贈られた。
新天皇となる皇太子殿下と、皇位継承順位1位の「皇嗣」となる秋篠宮殿下については「共に多くの経験を積み重ねてきており、皇室の伝統を引き継ぎながら、日々変わりゆく社会に応じつつ道を歩んでいくことと思います」と期待された。