長野県軽井沢町で静養中の天皇、皇后両陛下は２５日、同町の軽井沢会テニスコートを訪問された。両陛下が結婚前に出会った思い出の場所で、来年の退位を控え、在位中最後の訪問とみられる。プレーはしなかったが、コートにいたプレーヤーらと笑顔で会話を交わされた。

天皇、皇后両陛下は思い出のテニスコートを訪問された＝２５日午前、長野県軽井沢町（代表撮影）

　午前１１時前、車で到着された両陛下は、出迎えた軽井沢会関係者ににこやかにあいさつ。ベンチに座り、「いいショットですね」などと笑顔で歓談しながらプレーを見学し、拍手を送られた。約３０分間滞在し、居合わせた人に手を振ってコートを後にされた。

　両陛下は１９５７年８月、このコートで行われたダブルスの試合で、それぞれペアを組んで対戦。これが出会いとなり、５９年４月に結婚された。その後も夏の静養で軽井沢を訪れた際、この場所を何度も訪れ、２０１３年８月にはテニスを楽しまれた。

　２５日に両陛下を案内した軽井沢会理事の諸戸清郎さん（６９）は「『来られて良かったね』とお二人で話されていたので、非常に懐かしい思い出の深い場所なんだと感じた。両陛下には『ぜひまたここでプレーを』と申し上げた。来年は少し時間が自由になると思うので、またお見えいただければ」と話した。

　両陛下は２７日、軽井沢から群馬県草津町に移動し、２９日に帰京される。