眞子殿下「心より敬意」、ブラジルで移住110周年式典


 【サンパウロ時事】世界最大の日系人社会を有する南米ブラジルの最大都市サンパウロで21日、現地日系団体などが主催する日本人移住110周年を祝う記念式典が開催された。公式訪問中の秋篠宮家の長女眞子殿下は式典で、先人の苦労をしのぶとともに、移民を受け入れたブラジルに感謝の意を表明された。

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秋篠宮眞子殿下が日本人移住110周年記念式典でお言葉を述べられた=21日、ブラジル・サンパウロ(AFP時事)

 地球の反対側に位置するブラジルには、1908年に「笠戸丸」で最初の契約移民ら781人が渡って以来、推定25万人の日本人が移住。コーヒー農場労働者を振り出しに、現在は6世代、約190万人の日系人が暮らし、各界で活躍している。

 式典には約4000人が参列。幼い頃からブラジルに親しみを感じていたという眞子さまは「日本からの移住者を温かく受け入れてくださったブラジル政府とブラジルの方々に感謝するとともに、移住者とそのご子孫が努力を積み重ねて今日の日系社会の発展を築き、支えてこられたことに心より敬意を表します」と述べた。

 ブラジル日本文化福祉協会の呉屋春美会長は「日本移民が歩んできた道は言葉にすることができないほど多くの困難があった。いつしか苦労の時期は過ぎ去り、多くの実りを感じるまでになった」と回顧。前駐日大使のマルコス・ガルボン外務次官は「日本人ははるか遠くからやってきて、国の発展に大きく貢献していただいた」と移住者らをたたえた。