天皇陛下の退位を実現する特例法が成立した９日午前、陛下は皇居・宮殿で、フィリピンとベラルーシの新任大使の信任状奉呈式に臨んだ後、会計検査院長や公正取引委員会委員長らと昼食を共にされた。宮内庁によると、午前中、信任状奉呈式のため宮殿におられた陛下に側近が、特例法が成立したことを伝えた。

天皇陛下は河戸光彦会計検査院長（右）らと昼食会に臨まれた＝９日午後、皇居・宮殿（代表撮影）

　午前１０時すぎ、特例法が参院本会議で可決。陛下は、午前１０時半から信任状奉呈式に臨み、正午には宮殿「連翠（れんすい）」に姿を見せ、出席者に「日々のお務め、誠にご苦労さまです」と声を掛け、和やかに御懇談。秋篠宮殿下も同席された。

　一方、皇太子殿下は特例法成立時、東宮御所におり、全国「みどりの愛護」のつどいのため石川県に訪問される直前だった。この日は雅子殿下との御結婚記念日。小田野展丈東宮大夫がお祝いを述べると、皇太子殿下は笑顔で返されたと、小田野大夫が同日の定例会見で明らかにした。