両陛下、早池峰神楽を御鑑賞


 東日本大震災の復興状況視察などのため岩手県を訪問中の天皇、皇后両陛下は30日、大槌町から花巻市に移動し、滞在先のホテルで同市に伝わる民俗芸能「早池峰神楽」(重要無形民俗文化財、ユネスコ無形文化遺産)を鑑賞された。

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天皇、皇后両陛下は早池峰神楽の天照五穀(写真下)の説明を受けられた=30日午後、岩手県花巻市

 この日演じられたのは、神々の踊りを通じて稲や麦など五穀の成り立ちを伝える「天照五穀」という演目。笛や太鼓の音に合わせて迫力のある舞が披露されると、両陛下は盛んに拍手を送られていた。

 終演後、天皇陛下から「重文の神楽を大事に後世に伝えてください」と伝えられたという大償神楽保存会の佐々木隆さん(85)は「いまだかつてこんなことはなかった」と感激した様子。会長の阿部輝雄さん(65)は「両陛下に神楽にご興味を持っていただき大変光栄。全国の神楽衆も励みになったと思う」と話した。