両陛下、植樹祭に御出席


長野県栄村の被災者とも御懇談

 天皇、皇后両陛下は5日、長野市の屋内アリーナ「エムウェーブ」で開かれた第67回全国植樹祭の記念式典に出席された。

800

天皇、皇后両陛下は第67回全国植樹祭で、苗木を植えられた=5日午前、長野市(代表撮影)

 式典では、冒頭で熊本地震の犠牲者に黙とうがささげられた後、両陛下がヒノキやシナノキなど計6種類の苗木を植え、カラマツなど計4種類の種をまかれた。

 長野県内で植樹活動を続けている歌舞伎俳優の市川海老蔵さんが登場するサプライズもあり、歌舞伎演目の「勧進帳」で弁慶が舞う「延年の舞」を披露すると、会場から大きな拍手が湧いた。

 両陛下は式典に続いて、信州大の国際科学イノベーションセンターを見学した後、2011年3月の長野県北部地震で被災した同県栄村の住民とホテルで御懇談。村長や住民計5人から当時の苦労や復興状況について聞き、「大変だったでしょう」「よくお耐えになって」とねぎらいの言葉を掛けられた。

 両陛下は12年7月に栄村を訪れて住民を見舞っており、その後復興が進んだことを聞いてほっとした御様子。天皇陛下が懇談の最後に「こういうことが本当にあってはいけないわけですが、今度の災害を生かして、安全性が増す地域になっていくことを願っています」と述べると、皇后陛下は村名に例えて「栄えてね」と笑顔で言い添えられた。