両陛下、女川町を初訪問
駅前商店街や水産工場御視察
東日本大震災の復興状況視察のため宮城県を訪れられている天皇、皇后両陛下は17日午後、津波で壊滅的被害を受けた女川町を震災後初めて訪問し、再整備されたJR女川駅前や、復興を果たした水産加工工場の様子を視察された。
正午すぎに女川町に到着した両陛下は、町長らから復興状況の説明を受けた後、テナント型商店街「シーパルピア女川」を歩いて御視察。生花店などの中に入ったり、従業員らに被災時の状況などを尋ねたりして回られた。
商店街の中心部では、歓迎のため集まった住民らに近寄り、「ご家族は大丈夫でしたか」「元気でね」などと笑顔で言葉を掛けられた。予定の滞在時間が過ぎても御懇談は続き、「復興は進んでいます。ありがとうございます」と涙を浮かべて感謝する女性の姿も見られた。
両陛下は続いて、震災で全工場が壊滅した後、再建を果たした水産加工会社「ヤマホン」の工場を御訪問。サンマの黒酢煮など全商品のレシピが入ったUSBメモリーの基盤部分をがれきの中から見つけ、復興のきっかけになったと社長から説明を受けた天皇陛下は、「ずいぶん苦労されたんでしょうね」と真剣な表情で聞き入っておられた。