両陛下、熊本の被災者見舞う


オンラインで初、昨年7月豪雨

 天皇、皇后両陛下は27日、お住まいの赤坂御所で、昨年の7月豪雨により65人が死亡、2人が行方不明となった熊本県の被災者らとオンラインで懇談された。

熊本県人吉市の豪雨被災者らとオンラインで懇談される、天皇、皇后両陛下=27日午後、赤坂御所(宮内庁提供)

熊本県人吉市の豪雨被災者らとオンラインで懇談される、天皇、皇后両陛下=27日午後、赤坂御所(宮内庁提供)

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、両陛下は昨年11月にオンラインで病院や高齢者施設などの視察を始めたが、被災者を見舞われるのは初めて。

 この日は冒頭、県庁の蒲島郁夫知事から全体の被害状況について説明を受けた後、人吉、八代両市役所と芦北町、球磨村の役場を順につないで懇談。当時と現在の様子をビデオで見てから、被災者や災害対応に当たった消防や警察などの関係者に話し掛けられた。

 自宅が2階まで浸水し、現在も戻れていない人吉市の山上修一さん(76)に、天皇陛下は「そちらも寒くなって、大丈夫でしょうか」と気遣われた。皇后陛下は、ヘリでの救助活動を指揮した県防災消防航空隊の小山幸治隊長(46)に「何度も出動されて、たくさんの方を救助されたんですね」とねぎらわれた。

 自宅を襲った土砂崩れで妻を亡くした芦北町の矢野解光さん(74)は、妻の遺影とともに懇談に臨んだ。矢野さんは「妻も(皇后陛下と)同じまさ子という名前で、両陛下にお言葉を頂いて心強く思っています」と話すと、両陛下は「お体を大切にお過ごしください」と気遣われた。