上皇陛下 87歳に
コロナ禍 深く案じられる
上皇陛下は23日、87歳の誕生日を迎えられた。3月末に上皇后陛下と26年余り過ごした皇居・吹上仙洞御所から東京都港区の仙洞仮御所に転居したが、新型コロナウイルスの感染拡大で、生活は当初の想定から一変した。国内外で人々の健康と生活に大きな影響を及ぼしていることを深く案じておられるという。
宮内庁によると、転居後、皇居・生物学研究所での魚類研究を控えていたが、ウェブ会議システム導入などの感染対策を講じた上で5月末から再開。今は週2回のペースで通っておられ、オキナワハゼ属に関する論文の完成が近づいている。
感染拡大が続き、昭和時代から支えてきた青年海外協力隊員の活動にも影響が出ていることを心配。沖縄に寄せる思いは変わらず、昨年焼失した首里城の歴史を紹介する番組を視聴し、再建を願っておられる。大雪により新潟県の関越自動車道で起きた車の立ち往生も心配していたが、解消され安心されていたという。
体調に大きな問題はないが、上皇后陛下に昔の出来事を確認することが多くなった。時々勘違いや戸惑いがあっても、一緒に笑いながら日々を過ごされている。
仙洞仮御所への転居後、皇居以外への外出は10月の明治神宮参拝のみ。秋篠宮殿下の「立皇嗣の礼」で全ての即位行事が終わり、深く安堵(あんど)された様子という。
コロナ禍で国民生活が困難な状況になっているため、誕生日行事は全て取りやめる。