皇后陛下 57歳に
医療従事者の献身「頭下がる思い」
コロナ禍 力を合わせて
皇后陛下は9日、57歳の誕生日を迎えられた。宮内庁を通じて文書で感想を発表。新型コロナウイルス禍に見舞われた1年を「大変に心の痛む年でした」と振り返り、「困難に見舞われている人々に手を差し伸べつつ、力を合わせてこの試練を乗り越えていくことができますよう、心から願っております」とつづられた。
コロナの感染拡大が続く中、医療従事者の献身的な尽力には「本当に頭の下がる思いがいたします」と謝意を示された。経済的困窮や、感染者に対する差別、児童虐待などの問題を案じ、「皆が心穏やかに日々を過ごせるようになることを願ってやみません」とされた。
国民との直接の触れ合いが制限されていることについて「残念に思います」と心情を吐露。こうした中、天皇陛下と共にお住まいの赤坂御所で専門家などから受けたコロナ関連の説明は16件に上った。11月からはオンラインによる視察も始まり、「今後ともそのような機会を大切にしていくことができれば」と活用に積極的な姿勢を示された。
秋篠宮殿下の「立皇嗣の礼」が執り行われ、代替わりに伴う主な儀式や行事が無事終了したことに「安堵(あんど)しております」と気持ちをつづられた。上皇后陛下から引き継いだ皇居での養蚕も無事終え、「繭から美しい生糸が紡がれたことを感慨深く思いました」と感想を述べられた。
来年成人を迎える長女愛子殿下については「10代最後の年を心豊かに過ごしてほしい」と願われた。
治療に当たる宮内庁の医師団も見解を公表。「依然として快復の途上にあり、体調には波がある」と、従来と同様の見方を示した。
コロナの感染状況を考慮し、9日は誕生日の祝賀行事は行わない。