皇后陛下 56歳に


「時代の節目、深い感慨」

 皇后陛下は9日、56歳の誕生日を迎えられた。5月に皇后となってから初めての誕生日。宮内庁を通じ文書で感想を発表し、「時代の節目となった今年を振り返りますと、深い感慨に包まれます」と気持ちをつづられた。

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皇后陛下は56歳の誕生日を迎えられた=3日午後、赤坂御所(宮内庁提供)

 5月に皇居で行われた天皇陛下即位後の一般参賀や、11月に行われた民間主催の「国民祭典」、パレード「祝賀御列の儀」に触れ、「多くの国民の皆様から、思いがけないほど本当に温かいお祝いを頂きましたことに、心から感謝しております」と謝意を表明。上皇陛下御夫妻にも深い感謝の気持ちを示し、「陛下とご一緒に、国民の皆様の幸せを常に願いながら、寄り添っていくことができましたらという思いを新たにしてまいりました」と記された。

 台風19号などの被害を案じ、アフガニスタンで医師の中村哲さんが命を落としたことを「とても残念なこと」と振り返られた。一方、明るい話題としてラグビーワールドカップ日本大会での日本選手の活躍や吉野彰さんのノーベル化学賞受賞決定を挙げ、来年に迫った東京五輪・パラリンピックへの期待も示された。

 その上で、「健康の一層の快復に努めながら、皇后としての務めを果たし、陛下とご一緒に、国民の幸せに力を尽くしていくことができますよう努力してまいりたい」と決意を述べた。

 これまで皇后陛下の適応障害の治療に当たってきた東宮職医師団に皇室医務主管を加えた「医師団」も見解を発表。即位に伴う多くの行事をこなしたことについて「さまざまな工夫を重ねながらご体調を整えられるなど、皇后陛下の努力によるところが大きい」との見方を示した。