北朝鮮投資大当たり


韓国紙セゲイルボ・コラム「説往説来」

 金大中元大統領が退任後の2007年、米国ワシントンを訪問してナショナルプレスクラブ(NPC)で演説し、北朝鮮に注目せよと強調した。核兵器でなく、レアアース、モリブデン、マグネシウムなど、北朝鮮に埋蔵されている希少鉱物資源に関心を持ちなさいという注文だった。北朝鮮の広報大使を自任するレベルの発言だった。ウラニウム400万㌧など、資源の埋蔵量推定値は投資家たちの関心事になって久しい。金大中・盧武鉉政権時代は南北の鉱物資源関連協力も一部推進された。2010年の韓国哨戒艦「天安」沈没(撃沈)事件でこれら全てが水泡に帰してしまった。

 朴槿恵前大統領も北朝鮮注目発言の隊列に加わった。2014年1月の新年記者会見を通じて「統一は大当たり」だと語り、ニュースをつくった。左派陣営では吸収統一論だと攻勢をかけたが、北朝鮮の潜在的な価値に関心を呼び起こそうとする発言だった。“統一大当たり論”の考案者だといわれる権九勲元ゴールドマン・サックス専務は未来を見通す目を持っていたのだろうか。右派である金武星議員の「統一経済教室」に参加してドイツ式の吸収統一を“大損”だと批判し、中国・香港式の二元化・漸進的な統合推進論を力説した。彼は文在寅政府の発足後、北方経済協力委員長としてスカウトされた。彼の分析力と言語伝達力が文政府でも必要っだ必要だったのだ。

 世界的な投資家のジム・ロジャース氏が来月、北朝鮮を訪問するようだ。オートバイに乗って全世界を走り回り、投資先を探して大当たりをした彼が北朝鮮を訪問するということは、世の中の関心事となっている。何に目を付けるかが気になるところだ。彼は2015年、CNN放送とのインタビューで「全財産を北朝鮮に投資したい」と語った。昨年6月、米ニュース専門放送局FOXニュースとのインタビューでは、「投資が合法化されれば、直ちに実行に移す」と言った。彼は「大韓航空の株式を持っている」と述べつつ、「開放となれば北朝鮮旅行が活発になるはずだから」と語った。彼は金剛山でリゾートを運営するアナンティーにも投資したと言われている。金剛山と馬息嶺スキー場、元山葛麻観光地区は外国人の視線をとりこにする“隠遁(いんとん)”の観光施設だ。こんな好機も護衛艦「天安」事件のような一回の“踏み外し”で水の泡となってしまうことを北朝鮮は悟らなければならないのだが…。

 (2月13日付)

※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。