ロシア人が日本移住を躊躇する理由
地球だより
筆者の知人、友人には、「日本に行った経験のある人」が多い。そして、99%以上は、日本に行って「もっと日本が好きになった!」という。「道にゴミが落ちていない」「店員さんが、みんな丁寧」「人が親切」「食事がおいしい」「ウォシュレットすごい」などなど、いろいろ理由はある。
彼らは、もちろん「日本大好き」なのだが、「日本に住みたいが、一つ問題がある」という。なんと「冬が寒すぎる!」というのだ。「モスクワの方が寒いではないか?!」と、日本人なら誰もが思うだろう。実際、モスクワの冬は、マイナス30度まで下がる日もある。昼間マイナス10度くらいなら、「今日はすごしやすい」といった感覚なのだ。
しかし、マンション、アパートの中は違う。モスクワは、セントラルヒーティングが完備され、冬でも家の中は、あたたかい(あつい)。今、筆者が卓上時計についた温度計を見ると、なんと「26度」である。これは、モスクワの「夏並」の気温。そのため、モスクワ市民は、家の中では、冬でもTシャツ、短パンが当たり前。
しかし、日本に行けば、冬寒い家(特に田舎は)が多い。暖房をつけ、なおかつ家の中でセーターを着ているというのは、ロシア人の想像を絶する世界である。
そのため、日本の冬を知る「日本通」ロシア人であればあるほど、「日本は世界一すばらしいが、冬、家の中が寒いので、引っ越せない」などという。日本人がモスクワに住みたくないのは、「冬が寒いから」。ロシア人が日本に住みたくないのも、「冬が寒いから」。世の中には意外なことが、いろいろある。
(Y)