セルフレジが混雑助長


地球だより

 露政府は老朽化した、旧来の運営システム刷新に取り組んでおり、モスクワ市ではそのソフト面の進化の恩恵を大いに受けている。

 しかし、国民の生活事情は以前に比べて質素なものになっているのは間違いない。

 郊外の大型スーパーに行ってみると一目瞭然で、商品の数が激減、欧米の経済制裁は如実に露への経済ダメージを与えている。

 外資系の大型スーパーは、混雑を軽減するため、欧州で既に浸透しているセルフレジの導入を始めた。

 ただ、自分でバーコードを通し、精算まで行うフルのセルフレジは、やはりロシアでは無理なようだ。

 加えて、ロシアのセルフレジは、恐らく、客を全く信用しないシステムだ。そもそも混雑をさけるためのセルフレジが、混雑を助長してしまい不要の代物になっている。

 バーコードを店員が通してくれるのは素早くて良い。しかし、なぜか精算機まで距離がある。レジの時点で一度重さをチェックされ、さらに、料金支払い時にも重さをチェックされる。この秤(はかり)はびっくりするぐらい厳密で、少しでも重さがずれていれば、レシートと再照合となるが、その担当者はなかなかつかまらない。

 それが終わったら、今度は売り場の出口にある機械でもう一度バーコードを通し、料金の未払いを検出するシステムなのだ。この非効率なレジには駄目出しをしたくなったが、皆文句を言わず重宝がる姿はまたロシアらしい。

(N)