サマータイム制


韓国紙セゲイルボ・コラム「説往説来」

 「昼光節約ということが現在、欧米の様々な国でも実施されており、夜より昼が長い夏季にあたって朝早く仕事を始め、昼早く終えて仕事の能率を高めるように時間を1時間早くしているという」

 1948年5月23日付の京郷新聞に掲載された米軍政司令官、ジョン・ホッジ中将名の布告令の一部だ。5月30日午前零時から9月22日夜12時まで『標準昼光節約時間(daylight saving time)』を実施するという内容だ。開始日の午前零時に全ての時計の針を午前1時に進め、最終日に1時間遅らせるのだ。大韓民国政府樹立の2カ月以上前に昼光節約時間制、即ちサマータイム制を初めて導入したのだ。布告令を伝える記事の小見出しの一つは「こんなこともあるのか」だった。不慣れな制度に対する当惑が伺える。

 その後、サマータイム制は大韓民国の大統領令で1960年まで施行されて翌年中断され、ソウル五輪を前後する1987~88年に、米国のテレビ中継料を勘案した国際オリンピック委員会(IOC)の要求に従って、期間限定で施行されたことがある。

 サマータイム制は18世紀後半に米国精神を代表する政治家、ベンジャミン・フランクリンがローソク節約のためのアイディアとして提起し、英国の建設業者、ウィリアム・ウィレットが1907年に「昼光の浪費」という文章でこれを公論化した。ドイツが1916年に初めて導入した後、欧州を中心にして世界各国に広がった。

 名称はサマータイムだが、大部分が春に始まって秋に終わる。大多数の国家では時間を1時間早めるが、2時間早める国もある。日本は昨年7月、「日本版サマータイム」(朝型勤務)を導入したが、これを別枠にして、経済協力開発機構(OECD)会員国のうちサマータイム制を実施していない国はアイスランドとわが国だけ。アイスランドは白夜現象のためこれを導入する理由がない。

 政府がサマータイム制導入をアイデア次元で検討したという。世界の標準となったのに加えて消費の活性化、エネルギーの節約などの効果が大きいためだ。勤労時間延長への憂慮を払拭する補完装置を前提としてサマータイム制の導入を慎重に検討すべき時になった。サマータイムの適用期間は昼の時間が長く感じられて時間への関心が大きくなる効果がある。時間を貴重に思う心につながり得る。どう使うかによって長くも、短くもなるのが時間だ。

(12月7日付)

※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。