世界一客好きの国は?


地球だより

 6月から9月までの長い休暇シーズンを迎え、ロシアでは避暑に行く人々が増えた。今年は欧米の経済制裁の影響でロシアの通貨ルーブルは暴落し、外国旅行に行く人々は減少した。

 「今年は国内旅行で済ませるよ」と、ロシアが編入したクリミア半島に向かう人が目立つ。風光明媚(めいび)なクリミア半島は、登山と海水浴が同時に楽しめる人気の場所だ。

 筆者は夏の旅行に、念願のサンクトペテルブルグ・ロシア歴史ツアーを選択した。意外だったのは欧米からの観光客よりも、極東などの遠方からのロシア人観光客が多かったことだ。

 必見は世界三大美術館の一つエルミタージュ美術館。さすがに夏季は長蛇の列で、切符を買うだけで最低2、3時間は待たなければならない。しかし、それだけ待ったとしても、確かに見る価値がある。もっとも外国人は、通常の倍の料金を払えば、特別な入り口から待たずに入場することもできる。

 ところで、最近のロシアの世論調査で、世界で最も客をもてなす国は「ロシア」であることが明らかになった。ロシアの観光サービス企業Momondoがロシア人を対象に行った調査で「世界で1番客好きな国は?」との設問に、38%が「ロシア」と回答した。2位はトルコ、3位はイタリアとスペインだった。

 無愛想な空港の係官からは全く想像ができないが、確かにロシア人は客好きだ。手料理をふるまい歌や踊りを共有する。観光客を魅了するロシアの美術品・遺産も素晴らしい。

 実際に訪れなければ分からないことが多い不思議な国でもある。

(N)