アルハラ減れど酒席減らぬ? 韓国から


地球だより

韓国

 新型コロナウイルスの感染防止に向けたワクチン接種率が高くなってきたことを受け、韓国でも政府が音頭を取り、ウィズ・コロナ時代に見合う日常を取り戻そうという動きが出始めている。まずは飲食店などの営業時間や利用客の制限を緩和させ、今月に入ってからは夜10時以降も居酒屋界隈が賑(にぎ)わっている。ちょうど、もうすぐ年末年始の忘年会・新年会シーズンだ。きっと大勢の呑兵衛が街に繰り出すだろう。

 アルコールが入れば自然と声も大きくなる。日本人の基準からすれば、韓国人はただでさえ話し声が大きいため、それに輪をかけた怒鳴り声に聞こえることもある。コロナが蔓延(まんえん)する前、ある知人とゆっくり話をしようと思ってレストランの個室に入ったが、周りの個室から聞こえてくる酔客たちの大声で、すぐ目の前にいる相手の声が聞こえないで苦労したこともあった。本当にゆっくり話したければ、高級ホテルに行くしかない。

 近年は職場の会食や大学の新入生コンパなどで周囲から酒を強要されるアルハラは随分と減ったようだ。昔のように「爆弾酒」(焼酎やウイスキーのビール割)を何十杯までイケるか競って勝った!という類の武勇伝もあまり聞かなくなった。懇意にしている下戸の大学教授には「別に酒を飲まんでも相手と打ち解けられますがね~」と言われたりもする。

 ただ、それは少数意見かもしれない。依存はよろしくないが、“潤滑油”の役割は確かにあるのだから。

(U)