“戦車強国”


韓国紙セゲイルボ・コラム「説往説来」

 “爆風”。血なまぐさい戦争を知らせる暗号だ。1950年6月25日早朝4時、金日成はこの暗号で南侵を命令した。6・25戦争(朝鮮戦争)の英雄、白善燁将軍の自叙伝的書籍の『ジェネラル・ペク』では、金日成をこのように評価している。「金日成は邪だ。民族を叫んでいたが、実際にはその民族が数多くの犠牲を強いられる同族同士が殺しあう悲劇を起こした」。

 南侵の先頭に立っていたのは、北朝鮮軍第105戦車旅団だった。怪物のようだった。当時の残酷な戦闘日誌を記録した『6・25戦争1129日』。北朝鮮の戦車になすすべもなく敗れた韓国軍・国連軍の実情が盛り込まれている。

 「戦車94台が南侵した」。戦争が勃発した日、陸軍総参謀長の蔡秉德は緊急な発表を行った。3日後、北朝鮮の戦車はソウルに進入し、その5日後には漢江を越えた。烏山で戦車に出くわした米軍砲兵部隊。曲射砲で対応したが無駄だった。雨が降りしきる7月8日、戦車の砲撃に、結局、天安まで放棄した。怪物のような戦車によって犠牲になった若い命はどれだけ多かったか。

 その時の苦痛のためなのか、わが国は戦車に対する愛着がひときわ強い。1984年、在韓米軍はあらゆる戦車を交代した。М48から最先端М60に。その時に受け継いだМ48は今も使われている。それならば、古い戦車で国を守っているのか。違う。歴史は変わった。先端レーザーで武装したK1・K2戦車、名品と言われるK9自走砲…。最近は未来型装甲車レッドバックまで開発した。技術・価格競争力において、どんな国にも劣らない。

 K21もその中の一つだ。14年前に開発された装甲車だ。この装甲車はK21―105軽戦車に進化した。ベルギーのジョン・コッカレル・ディフェンス社の高性能砲弾で武装したという。この軽戦車を中国がこき下ろしている。中国共産党機関紙・人民日報系の『環球時報』は「韓国の戦車にどれほど多くの穴が空いているのか、自分も分からないのだろう」と報じた。なぜ、悪意に満ちた報道を行ったのか。インドに中国産15式軽戦車を売ろうという考えからだという。インドと国境紛争を繰り広げながら、兵器を売ろうというのか。

 挑戦と応戦。朝鮮戦争で経験した“タンク戦の黒歴史”が韓国を“戦車強国”にしたのだろうか。北朝鮮は今や核とミサイルで武装した。これから、どのような応戦をしなければならないのだろうか。

 (5月31日付)

※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。