変わるオフィスワークーフランスから


地球だより

 新型コロナウイルス感染抑止の規制措置が大幅に緩和されるフランスでは、さまざまな変化が見られる。パリで社員400人が働くIT系企業社長はリモートワークのメリットを認め、「感染が収まっても、働き方が元の状態に戻ることはあり得ない」と断言する。

 フランス人にとって、リモートワークにはメリットとデメリットがあった。メリットは言うまでもなく通勤の苦痛から解放され、中には都市を離れ田舎暮らしを満喫する人もいる。デメリットは仕事とプライベートの境がつけにくくなったことと、チームワーク構築に必要な職場での同僚との雑談ができなくなったことだ。さらにこの1年で浮上したデメリットの一つは新入社員教育が難しくなっていることだ。

 フランスはワクチン接種が進み、感染者も減少しているため、6月9日から新たな感染予防ガイダンスが適用され、オフィスワークに戻ることもできるようになる。ガイドラインによれば、職場での握手やハグは禁止、人と人の距離を保つのも必須。職場の食堂では、これまで1テーブル1人だった規則はアクリル板設置で座席間隔が狭められる一方、エレベーター内の定員や廊下の一方通行は維持される。

 何人かのフランス人に「出社で仕事とプライベートを切り離せるのと、通勤不要の在宅ワークとどちらがいいか」と聞くと、全員が仕事とプライベートを切り離せることと答えた。ただ、彼らの理想は田舎で大きな家に住めば両方がかなえられるとも付け加えた。

(A)