女性国会副議長


韓国紙セゲイルボ・コラム「説往説来」

 わが国の最初の女性国会議員は初代商工部長官(部は省、長官は大臣に相当)を務めた任永信元議員だ。1948年に発足した制憲国会(憲法制定国会のこと)議員の中に女性はいなかった。任氏は長官に就任した翌49年に慶尚北道安東乙選挙区の補欠選挙で、朝鮮女子国民党から出馬し当選した。

 朴順天元議員は1950年の2代総選挙で2番目の女性議員に当選した。地域区4回、比例(当時、全国区)1回の当選記録を打ち立てて、民主党総裁、民衆党代表最高委員を歴任した。その後、当選回数が並んだ議員は出たが5選は今も女性の最多選記録として残っている。

 任・朴両氏が活動していた時期、女性の社会的地位を象徴的に示す逸話が少なくない。任氏が商工部長官に任命されると、「いくら才色兼備だといっても、とてもやりきれる仕事ではない」というマスコミの集中砲火を浴びた。任・朴両氏はそれぞれ「立って小便する人間が、どうしてしゃがんで小便をする人間に決裁を受けないといけないのか」「雌鶏が鳴くと家が滅びる」という男性の職員や同僚議員たちに立ち向かわなければならなかった。

 女性国会議員は制憲国会から8代までは1~5人ぐらいにすぎなかった。女性議員が急増したのは、比例代表の女性分配が制度化され、その割合が50%を超えた17代からだ。その時の39人に続き、18代42人、19代47人、20代51人、21代57人と着実に増えている。しかし、先進国と比較すると、わが国の女性議員の比率は依然として途方もなく低い。特に女性の地域区当選者は21代でも全議員の11・5%にとどまるほど、絶対的に劣勢だ。

 先の4・15総選挙で4選議員となった共に民主党の金相姫議員が21代国会前半期の国会副議長に挑戦状を出した。これまで女性の大統領、総理、党代表、院内代表は輩出されてきたが、女性の国会議長・副議長は前例がない。民主党の女性議員・当選者たちは金議員を国会副議長に推戴することで意見を同じくしている。5選の卞在一、李相珉、安敏錫の各議員が党内選挙への出馬を考慮中なので、20日に候補登録を終えれば、推戴になるか党内選挙になるかが判明する(金議員が同日、与党・共に民主党から初の女性副議長に推戴された)。金議員が憲政史上初の女性国会副議長に選出されれば、また一つの政界における“ガラスの天井”を破ることと評価されるようになるはずだ。

(5月20日付)

※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。