上昇気流 rss

「三鷹の此の小さい家は、私の仕事場である。…

「三鷹の此の小さい家は、私の仕事場である。ここに暫くとじこもって一つの仕事が出来あがると私は、そそくさと三鷹を引き上げる。逃げ出すのである。旅に出る」。作家、太宰治の「誰」(昭和16年)の一節だ。  東京都三鷹市は、この…

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イタリアはナポリ近郊にあるポンペイ遺跡は…

 イタリアはナポリ近郊にあるポンペイ遺跡は、西暦79年のベスビオ火山の噴火によって火山灰に埋まり、タイムカプセルのように当時の姿を残す遺跡として有名だ。劇場や人々の住居跡なども残っていて、古代ローマの人々の生活を偲(しの…

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今月5日は二十四節気の小寒で、20日の大寒…

 今月5日は二十四節気の小寒で、20日の大寒を経て月をまたいで今年は124年ぶりに2日となる節分までが寒の内。昨日は少し暖かさがあってひと息ついたが、今は一年で最も寒いとされる厳寒期を過ごしているのである。  東北や北海…

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スポーツとメンタルは切っても切り離せない…

 スポーツとメンタルは切っても切り離せない関係だが、特に大一番と言われる試合はそうだ。新型コロナウイルス禍の中、無観客で行われた全日本卓球男子シングルスの決勝、及川瑞基選手(木下グループ)と森薗政崇選手(BOBSON)と…

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年齢の感覚というのは不思議なものである…

 年齢の感覚というのは不思議なものである。10代の時には50代や60代というのは年寄り、老人だと感じていたことを覚えている。自分がその年齢になるということさえ信じられないほど。  ところが、いざ自分がその年代になってみる…

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新型コロナウイルスの感染拡大で地方移住…

 新型コロナウイルスの感染拡大で地方移住への関心が高まっている。小紙の元旦号第2部でも特集した。宝島社の月刊誌「田舎暮らしの本」2月号では「2021年版 第9回住みたい田舎ベストランキング」が発表された。  移住定住の推…

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正月に吉田満著「戦艦大和の最期」…

 正月に吉田満著「戦艦大和の最期」(角川文庫『戦艦大和』所収)を読んだ。何度も読んだのでストーリーは分かっている。が、今回もいろいろ感じるところがあった。  1952年に発表されたこの傑作を、45年9月に復員した直後、半…

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福島県会津地方の郷土玩具「赤べこ」に…

 福島県会津地方の郷土玩具「赤べこ」に人気が集まり、都内の販売店で売り切れが続いているという(小紙1月19日付「『赤べこ』人気沸騰」)。この玩具は平安期に疫病を払ったという赤い牛が由来で、人気は新型コロナウイルス流行のた…

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亜鉛などの金属を塩酸で溶かすと気体が発生し…

 亜鉛などの金属を塩酸で溶かすと気体が発生し、試験管の水の中をくぐらせると水と置き換わる。それが水素で、水上置換法と言うが、中学の授業で行うので覚えている人もいると思う。水素はそれほどポピュラーな元素だが、その恩恵を日頃…

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江戸時代の幕を引き、歴史を明治維新に進め…

 江戸時代の幕を引き、歴史を明治維新に進め、今日の日本への道を開いた人物の一人に、勝海舟を挙げる人は少なくなかろう。幕末期に江戸無血開城を果たし、江戸の街と町民らが戦火の犠牲となるのを食い止めた最大の功労者であることはよ…

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冬の穏やかな陽(ひ)に、落葉した街路樹の…

 冬の穏やかな陽(ひ)に、落葉した街路樹のハナミズキやケヤキ並木のシルエットが美しい。ハナミズキの枝は横にぐんぐんと広がり、緩やかな曲線が空に向かって伸びているため、全体の樹形も整っている。  その周期的に細やかに変化す…

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今さら初詣でもないと思うのだが、神社が…

 今さら初詣でもないと思うのだが、神社が分散参拝を呼び掛けたり密を避けるための人数制限を行ったりしていて、参拝するのをためらっていた。しかし、年始のあいさつをしないと落ち着かない。というわけで先日、少しばかり気が引けたが…

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西高東低の冬型の気圧配置で太平洋側は晴れ…

 西高東低の冬型の気圧配置で太平洋側は晴れの日が続いている。絶好の凧(たこ)揚げ日和といったところである。「密」を避け新型コロナウイルス収束を願って、大空に凧を揚げるのも悪くない。  凧揚げはもともと中国から入ってきたも…

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「団塊の世代」と呼ばれる世代が存在する。…

 「団塊の世代」と呼ばれる世代が存在する。昭和で言えば、終戦直後に起きた第1次ベビーブームの22(1947)年~24年生まれ。現在は70代前半だ。  加藤典洋著『オレの東大物語』(集英社・昨年刊)によれば、この世代は「世…

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「小説というのは、そのもとになる出来事が…

 「小説というのは、そのもとになる出来事がなければ、作れないものです」――。かつて小紙に小説「田沼意次」を連載した故村上元三さんが、連載終了後に気流子に語ってくれた。  例外がないと言いたそうでもあった。新刊の小説『19…

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正月休みに尾崎一雄の随筆集『沢がに』(昭和…

 正月休みに尾崎一雄の随筆集『沢がに』(昭和45年皆美社刊)を読んだ。この人の文章は、まず間違いなく肩がほぐれ、しかも正月にふさわしい清々(すがすが)しい気持ちにしてくれる。懐かしい昭和の情景も浮かんでくる。  尾崎は1…

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年明け早々に毎年公表される統計ものの…

 年明け早々に毎年公表される統計もののニュースがある。警察庁がまとめた前年の交通事故死者数などである。地味な扱いになりがちだが、ここ数年は死者数が統計が残る<1948年以降の最少を記録>が続き、一定程度の大きさで報じられ…

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アイスキャンディー「ガリガリ君」の当たり棒…

 アイスキャンディー「ガリガリ君」の当たり棒を偽造してキャンペーンに応募し、景品の人気アニメ「ポケットモンスター」のカードをだまし取ろうとしたとして、43歳の会社員の男が詐欺未遂容疑で逮捕された。プレミア景品への執着で素…

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「初景色野川一本光り出す」(中村明子)。…

 「初景色野川一本光り出す」(中村明子)。歳時記を見ると、新年の部は「初」の付いた季語が多い。「初春」「初空」「初日」「初富士」などをはじめ、実にさまざまなものがある。昨年と同じであっても、年を越したことでいったんリセッ…

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米議会の上下両院合同会議で、バイデン前副…

 米議会の上下両院合同会議で、バイデン前副大統領が次期大統領に就任することが決まった。テッド・クルーズ上院議員らが、激戦州の選挙結果に異議申し立てを行っていたが、トランプ大統領の一部支持者が議事堂に乱入した後、議論を尽く…

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新型コロナウイルス禍の中で一定期間過ごす…

 新型コロナウイルス禍の中で一定期間過ごすうちに気付いたことがある。どんなテーマであれ、人々の反応は多彩になるものだが、この世にはコロナを「気にする人」と「気にしない人」がいる。  気にする人は状況を「非常時」と考える。…

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東京の恵比寿ガーデンプレイス内にある東京都…

 東京の恵比寿ガーデンプレイス内にある東京都写真美術館で「瀬戸正人 記憶の地図」展が開かれている。内覧会も以前のように担当学芸員や作者が解説し、案内してくれる形式ではない。  記者たちに見てもらい、その後ホールで解説する…

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小紙の昨年12月28日付外報面に「中国、『革命…

 小紙の昨年12月28日付外報面に「中国、『革命的兵器』開発急ぐ」という記事が出ていた。中国の習近平指導部が、人工知脳(AI)や脳科学を活用し、敵兵の脳をコントロールする兵器の開発に心血を注いでいるという。米国との戦いに…

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